管理人の書いた二次創作SSです。
BL・腐女子がNGな方は閲覧しちゃだめですよ。
2012.07.04 Wednesday
【壊-START-視】
「久し振りだな、鉄。」
俺の言葉に、声に、姿に目を見開く姿。
伸びた背。
顔つきも少し変わっていた。
だけど、俺には敵わない。
背も、体験も全て。
「鈴…生きてたんだな!」
驚いた表情のまま、そう、嬉しそうに云う。
16歳にしては可愛らしい顔。
大きな緑の瞳。
あどけなさがまだまだ残る。
子供、だな。
そんな鉄の右耳から目の下にかけて走る一筋の刀傷。
・・・・先生。
思い出すあの日。あの夜。
どうして俺はこいつを・・・・。
俺の変化に、鉄は戸惑う。
吐き出す言葉に涙を流す。
俺の足元に跪き見上げて来る、涙に濡れた大きな瞳。
快楽と憎悪が同時に溢れ来る。
壊してやりたい。
滅茶苦茶に壊して、大事なものを目の前で奪って。
壊されて、奪われて。
俺と同じ目に遭うと良い。
そうしたら、最後には拾ってやっても良いな。
暗い檻に閉じ込めて、そのまま出さずに死ぬまで独り。
偶には俺が会いに行って、可愛がってやっても良い。
だから。
「泥水啜って此処までおいで。」
呆然とする鉄をそのままにして、俺は歩き出す。
次に会うのが楽しみだよ。
お前の周りを壊していって、少しずつ壊れてゆくお前を見てやるよ。
少しずつお前を壊してやるよ。
砕け散る直前まで。
なぁ、鉄。
逃げられないようにしてやるよ。
この現実からも。 俺からも。
終
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