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管理人の書いた二次創作SSです。 BL・腐女子がNGな方は閲覧しちゃだめですよ。
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2024.05.19 Sunday
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2012.07.04 Wednesday
 
 
 
 
 
 
「漸く此処まで辿りついたか、鉄。」
 
 
 
赤い瞳が細められて、唇が笑みの形を取る。
 
 
 



「長かったなあ・・・・待ち草臥れたよ。」
 
「…殺してやる。鈴。」
 
 
 
 
 
鉄之助の深い緑の瞳が、真っ直ぐに鈴を射抜く。
 
もう、出会った頃は元より、
「大和屋鈴」となってから初めて出会った時の面影も見られない。
 
鉄は成長し、今では鈴と並ぶくらいの背丈になり、
顔つきも精悍さを増した。
 
手足に残る幾つもの傷痕。
 
岐度、其の体中に傷痕は有るのだろう。
 
其れを見て、鈴は再び笑う。
 
 
 
「どうやら・・・・泥水を啜るくらいの事はしてきたのかな?」
 
 
 
胸に抱かれたままの漆黒の髑髏。
 
其れを愛おし気に見詰めながら鈴は続ける。
 
 
 
「先生、やっとアイツが来ましたよ。長かった…
待ちくたびれましたよねぇ?先生。」
 
「・・・・もういい。」
 
 
 
鉄が一言言い放った。
 
鈴の動きが止まる。
 
蔑むような目つき。
 
もう、笑っては居ない。
 
 
 
「・・・詰まらなくなったな、鉄。」
 
 
 
そんな鈴の言葉を聞き流し、
 
 
 
「早く抜いたらどうなんだ?其の腰の物は飾りかよ。」
 
 
 
そう言って鉄は両手の刀を握り直す。
 
 
 
「・・・・仕方ないな。もう少し話をしても良かったんだけど。
 
詰まらないし、もういいよ。」
 
 
 
腰に差した刀をすっと引き抜く。
 
 
 
「此れで終わりかな。・・・飽きたし。」
 
「言い遺す事はそれで終わりかよ。」
 
「ああもう、本当に詰まんないな。」
 
 
 
双方が刀を構える。
 
互いを見据える。
 
 
 
鉄が鈴と刀を交えた事は、片手に満たない程。
 
いつも決着をつけられる事は無かった。
 
何かしらに水を差された。
 
でも、其の度に思った。
 
「自分は鈴には勝てない」、と。
 
負ける事は無いと思う。でも、五体満足で勝てるとも思えなかった。
 
鈴の言葉が甦る。
 
 
 
「手足の1、2本無くして、泥水啜って此処迄おいで。」
 
 
 
此処迄来るのに、体を失う事は無かった。
 
でも、泥水を啜るような経験をし、大切なものを沢山喪った。
 
 
 
 
 

※作成中?
 









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