管理人の書いた二次創作SSです。
BL・腐女子がNGな方は閲覧しちゃだめですよ。
2012.06.28 Thursday
『sense』
夜もまだ明けきらぬ頃。フロドは自分の方へ向かってくる微かな足音で、ぼんやりと目が覚めた。然し未だ意識は半ば心地良い眠りへと入っていた為、そのまま目を開けることなく、再び眠りに落ちるべくその意識を外部から遮断しようとした。
夜もまだ明けきらぬ頃。フロドは自分の方へ向かってくる微かな足音で、ぼんやりと目が覚めた。然し未だ意識は半ば心地良い眠りへと入っていた為、そのまま目を開けることなく、再び眠りに落ちるべくその意識を外部から遮断しようとした。
立ち止まることのないその気配はそのまま自分の方へと来、その傍らにしゃがみ込むと、髪を一梳きして暫くの後立ち去った。
一体誰だろうか?
そんな疑問が頭の片隅に浮かび上がりつつも、その行為自体は別に不快でもなく、寧ろ安心する様な気さえしたので、特に気にすることもないままフロドはそのまま再び眠りへと落ちた。
そんなことが数晩有った。
そして昨晩のこと。
いつもの様に足音で目が覚める。然しフロドはそのまま目を瞑っていた。・・・きっと今日も同じことの繰り返し・・・然し今日はそれで終わらなかった。
近づく気配。暗い瞼の裏が更に暗くなる。誰かが覗き込んでいる?
そう思った時だった。
フロドの唇に温かい何かが触れる。
唇に触れたのはきっとその人のそれで。フロドが驚きを覚えながらも今更起きる事も叶わず混乱しているうちに、それは直ぐに離れていった。
軽く触れるだけの口付け。
・・・貴方は一体誰ですか?
その温かい感覚に決して負ではない、言い表せない感情を伴いながらフロドは思った。
そして瞼の裏の影はフロドの頬に優しく触れて、去ってゆく。
フロドは自分の頬にその人の手が触れた時、或ることを感じた。
そしてその触れられる感覚は知っているものだと。
きっと触れたのはあの人。あの人が僕に触れる時と同じ感覚を受けたから。
そう、間違える筈がない。間違える筈はないよ。あの人の手が僕に触れる感覚を。
それでも明日の朝・・・確かめてみようと思う。
自分の頬に相手の手が触れたときに感じたもの。
それがあの人の手にあるのかどうか。
確たる証拠を得る為に。
そしてもし、あの人にその徴があったなら訊いてみよう。
僕に触れた理由を。僕に口付けてくれた理由を。
そしてあの人が僕の望む答えを言ってくれたなら・・・僕もこの気持ちを明かそう。
翌朝、フロドはある人物の元へ行き少し離れた所へと呼び出した。そしてその人の手を眺め、自分の頬へと導く。其処は昨晩、かの人物が触れた場所。
「やはり貴方だったのですね。」
そう言ってフロドは微笑んだ。
「貴方に訊きたいことがあるんです。」
暫くの沈黙の後、相手から導き出された答え。
その答えを聞き、フロドは誰もが目を奪われるその大きな青い綺麗な瞳で相手を捕らえて口にする。
「僕もずっと貴方のことが・・・・。」
そして得られたのはこの上ない幸せと貴方の心。
END
一体誰だろうか?
そんな疑問が頭の片隅に浮かび上がりつつも、その行為自体は別に不快でもなく、寧ろ安心する様な気さえしたので、特に気にすることもないままフロドはそのまま再び眠りへと落ちた。
そんなことが数晩有った。
そして昨晩のこと。
いつもの様に足音で目が覚める。然しフロドはそのまま目を瞑っていた。・・・きっと今日も同じことの繰り返し・・・然し今日はそれで終わらなかった。
近づく気配。暗い瞼の裏が更に暗くなる。誰かが覗き込んでいる?
そう思った時だった。
フロドの唇に温かい何かが触れる。
唇に触れたのはきっとその人のそれで。フロドが驚きを覚えながらも今更起きる事も叶わず混乱しているうちに、それは直ぐに離れていった。
軽く触れるだけの口付け。
・・・貴方は一体誰ですか?
その温かい感覚に決して負ではない、言い表せない感情を伴いながらフロドは思った。
そして瞼の裏の影はフロドの頬に優しく触れて、去ってゆく。
フロドは自分の頬にその人の手が触れた時、或ることを感じた。
そしてその触れられる感覚は知っているものだと。
きっと触れたのはあの人。あの人が僕に触れる時と同じ感覚を受けたから。
そう、間違える筈がない。間違える筈はないよ。あの人の手が僕に触れる感覚を。
それでも明日の朝・・・確かめてみようと思う。
自分の頬に相手の手が触れたときに感じたもの。
それがあの人の手にあるのかどうか。
確たる証拠を得る為に。
そしてもし、あの人にその徴があったなら訊いてみよう。
僕に触れた理由を。僕に口付けてくれた理由を。
そしてあの人が僕の望む答えを言ってくれたなら・・・僕もこの気持ちを明かそう。
翌朝、フロドはある人物の元へ行き少し離れた所へと呼び出した。そしてその人の手を眺め、自分の頬へと導く。其処は昨晩、かの人物が触れた場所。
「やはり貴方だったのですね。」
そう言ってフロドは微笑んだ。
「貴方に訊きたいことがあるんです。」
暫くの沈黙の後、相手から導き出された答え。
その答えを聞き、フロドは誰もが目を奪われるその大きな青い綺麗な瞳で相手を捕らえて口にする。
「僕もずっと貴方のことが・・・・。」
そして得られたのはこの上ない幸せと貴方の心。
END
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