忍者ブログ
管理人の書いた二次創作SSです。 BL・腐女子がNGな方は閲覧しちゃだめですよ。
[9]  [8]  [7]  [6]  [5]  [4]  [3]  [2
2025.01.22 Wednesday
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2012.07.03 Tuesday
「そしてそれから。」
 
 
 
 
 
 
 
 
珍しく長い雨。
此処3日ばかり降り続いている。
クリスマス前だというのに、雪にも変わらずにだ。


明日はイブだから皆帰省していて、学内に学生は殆ど居ない。
今年はロンも帰ってしまったし。ハーマイオニーも恒例の帰省だ。
ロンが「一緒に来いよ。」と誘ってくれたけど、今回は遠慮した。
 
 
 
だっていつもお世話になっているし。偶には家族水入らずっていうのもさ。
そんな事云ったら、ウィースリー家の皆は口を揃えて
 
 
 
「そんな水臭いこと云わないで!」
 
 
 
って云ってくれるんだろうな。
 
 
 
其の光景を想像して、僕は少しおかしくなって笑ってしまった。
ホントに良い人たちだと思う。
ウィーズリー家の人たちは皆、大好きだと思う。
 
 
 
考えが途切れると、聞こえてくるのは暖炉の炎の燃える音と雨の降る音だけになる。
 
 
 
僕は、 急に寂しさを感じる。誰も居ない。
クリスマスプレゼントは届くけれど・・・其れは凄く嬉しいけれど。
僕のこと忘れないで居てくれるとか考えてくれてるとか。
 
 
 
でも、やっぱり家族で過ごして…誰かと過ごしてみたいとか思うんだ。
 
 
 
そんな僕は此処暫く深く眠れなくて…
眠ろうと思って一生懸命目を瞑っていても、色んな事を考えてしまうから余計に眠れなくなる。
 
 
 
 
父さんと母さんの事。
 
 
 
2人を殺したあいつの事。
 
 
 
 
僕の前に再びあいつは現れるんだろうか。
其の時僕は、あいつに打ち勝つ事が出来るんだろうか。
 
 
 
 
 
怒りと不安。それと寂しさ。
 
そして、 額の傷がチリチリ痛むんだ。
 
 
 
それだけでも憂鬱になるのに、魔法薬の授業。
 
 
 
黒いローブを靡かせる、無表情な漆黒の髪の人。
いつも眉間には深い皺が刻まれていて、笑った顔なんて見たこと無くて。
 
 
 
そして父さんの息子である僕の事が大嫌い・・・いや、それ以上の感情。
僕のことを「憎」んでるあの人。
 
 
 
いつも僕のことを凄い目で見ていて、僕のことを目の敵にしてる。
父さんのことを憎んでいたあの人。
僕が父さんの生き写しだから・・・?
 
 
 
 
 
 
でも、僕は其の人が。
 
 
 
 
 
セブルス・スネイプ。
 
 
 
 
 
其の人が気になって仕方なくて。
 
 
 
 
父に借りがあるから。
それを返して、父の事を何の気負いもなく憎みたいから。
 
 
 
そんな感情の下でも、僕を守ってくれた事・・・僕の命を救ってくれた事に間違いはないから。
 
 
 
 
他の先生と親しく一緒に居る所を見る事のないスネイプ先生。
ずっと見ていて思ったんだ。
 
 
 
 
あの人は寂しいのかもしれない。
岐度、「楽しい」とか「面白い」とか「好きだ」とか・・・
そういう感情を上手く表現できないのだろう、だとか。
 
 
 
 
 
一人でいることが普通で。
其れを寂しいと思うこともなくて。
 
 
 
 
 
其れが普通になる。
 
すると感情は。
 
心の中の「寂しい」という思いは凍り付いてしまう。
 
「寂しい」という心は人を「恋しく」思う大切な鍵なのに。
 
 
 
 
 
あの人を笑わせてみたい。
色んな表情を見てみたい。
例え其れが無理でもせめて。
せめて、一緒に居て少しでも「幸せ」と感じさせてみたい。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
僕は彼を好きだけれど、彼は僕のことが嫌い。
 
 
 
僕は彼をいつも見て居たいけれど、彼は僕を視界に入れることは望まない。
 
 
 
僕はいつも彼の傍に居たいけれど、彼は僕を傍に置く事を良しとしない。
 
 
 
僕は彼に触れたいけれど、彼は其れを決して望んでいないだろう。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
でも。
 
 
 
 
 
 
 
でも、それでも僕は貴方のことが好きだから。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
だから少しだけでいい。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
僕を見て。
 
 
 
真っ直ぐ「僕」を見てください。
 





















拍手[1回]

PR
プロフィール
HN:
HP:
性別:
非公開
自己紹介:
此方はSS頁です。
本家は上にあるHPのリンクよりどうぞ。
(絵・仮装写があります。)
☆☆☆
忍者ブログ [PR]